のべらっくす

花火

ひゅるひゅる…… どん! 花火だ花火だ 花火がひらいた でっかくまあるい 花火がひらいた 真っ赤であざやか 花火がひらいた きれいだきれいだ きれいな花火だ 今年もいっぱい 花火がひらいて 僕らをなんども 楽しませてくれた ここは田舎の小学校 ここの屋上は…

ぼろぼろぼろ

大粒の汗が、子ども用スマホの画面にしたたり落ちた。 茜はハンドタオルを取り出して額をぬぐい、そのまま画面の汗も拭きとろうとした。しかしタオルはもうすっかり湿っていたため、うまく拭きとることができなかった。やむを得ず、表示がはっきり見えるまで…

雨は激しく

ノックの音がした。 安雄はしばらくの間逡巡していたが、絶え間なく音が続くので、あきらめて玄関のドアを開いた。「やあ、ひさしぶり」 目の前には、ひょろりとした背の高い男が立っている。「ええと……」見たような顔だった。話したこともあるような気がし…